リモーネ事件★★リモーネ事件★ 自慢じゃないが、私は目の前で何が起きても それほど動じないで居られる自信がある。 あわてずに自分が何が出来るか考える。そして実行。 それは年を経て、かなりずーずーしくなったからだと 思ったりするのであ~る。 良いか悪いかは別として。 目の前で人が倒れた、としてもそれほど動じないだろう。 状況をよく見て、救急車を呼ぶ・・・呼ぶかな、やっぱり。 どうだろ。 本人が「ダイジョブダイジョブ」と言ったとしても 救急車は呼ぶかもしれないなぁ・・・・ブツブツ うん、やっぱ呼ぶね。 それは数日前の夜だった。 取引先のヤンエグ君のご招待でイタリア料理のお店へ。 いつものように皆でワインを飲んで美味しいお料理と おしゃべりに華が咲く。 私も連日少しずつ赤ワインをいただいていたので それほど酔っ払わなくなった。 デザートはソルベット デ リモン。 レモンシャーベットだ。スプーンじゃなくて ストローで吸うタイプね。 口当たりが良かったのでクイクイ飲んだ。 おいひぃぃぃぃぃぃ。 コーヒーも飲んで十五分後くらいにお勘定をして 店を出ようとしたときだった。 フワフワとして、あ~気持ちよく酔っ払ったわ♪ 店内は暑いから外で涼まなくちゃ。 そしてレストランの出入り口のドアの3歩手前で 私の記憶が突然途絶えた・・・・・・ あ、これは夢の中なんだわ。 なんかとっても気持ちいい感じ。 半分が夢で、半分が現。 人の声が遠くで聞こえる、わいわいがやがや。 少ーーしずつ現実が戻ってきた。 気づくと私はレストランの外の歩道でうずくまっていた。 私の左側で、同行のオジサマが私の腕を持っていた。 あ~ら、オジサマ何してんのよぉ。 でも体がまったく自分で動かせない。 何?これはいったいどういうこと? まだ夢を見ているんだわ、ふわふわふわふわ~気持ちいい。 ダーさんの声も聞こえる。 その時になって初めて自分が酔っ払って 道に倒れこんだのだと認識した。やべっ。 記憶が無かったのはほんの1分くらいのことかもしれない。 皆に抱きかかえられて店の中の椅子に座らされた。 「あ、大丈夫です、もう大丈夫。」 自分に言い聞かせるように周りの皆に言った。 ここで少し座っていればすぐによくなりますから。 皆さん、ごめんなさい、もう大丈夫です。 私は食べたものは何があっても吐かない。 (もったいないから・・・かもね、ぷっ) でも半分しかない意識の中では吐くかもしれない。 ダーがビニル袋を持たせてくれた。 よ~し、これで大丈夫だ(何が大丈夫だよ) 先ほどのオジサマがしつこく「寝たほうがいい。寝たほうが」 と何度も何度も言う。 アホちゃうか、今、横になったら吐いてしまうじゃんね。 ダーにトイレに連れて行ってもらった。 そのときにはずいぶん楽になって 少しふらつく程度で何とか店内を歩くことが出来た。 他のお客さんも心配そうに、あるいは好奇の目で(?) 私を見ている。ははは、すみませんねぇ、ご迷惑をおかけして。 ダーにドアの外で待っていてもらって、トイレで用を足して出た。 あ!!!!!!びっくり。 救急隊員が3人もトイレに来てた。 「え?もしかして私?」うっそ~~~~、まぢですかぃ? 彼らの姿を見た途端、すっかり酔いが醒めてしまった私。 私 「すみません、もう大丈夫です、ほんとに」 救 「そうお?はい、じゃ名前を教えて。」 私 「はい、あさりです」 救 「あさり、さんね」 と言いながらボールペンで、はめているゴム手袋に書いた。 私 「あ、スペル間違ってます、A・Z・A・R・Iです、そうそう、それです」 救 「年はいくつ?」 私 「んと、28・・・です。あの、もうすっかり大丈夫ですから」 救 「そう、えーーっと・・・・・・あなたアメリカ人?」 そう言って私を笑わせた。 私 「いえ、私はインディアンです」 そう切り返そうとしたが、そばにダーやダイソン君が居たので 冗談を言うのはやめた。 そんなこんなですっかり酔いは醒めてしまったわ。 お店の人が救急車を呼んでくれたらしい、ご親切にどーも。 お店の人に「ありがとう、ごめんなさい」を言って 外に出た。救急車がまだそこにいた。 本署に報告でもしているのだろう。 あーーーー情けねぇったらありゃしない。 原因はワインではなくてレモンシャーベットだったらしい。 シャンパンが相当量、入っていた模様。 それをクイクイ飲んだ私が悪いのね。 急性アルコール中毒とかではなくて、酔いによるめまい、らしかった。 なんでもいいわ、とにかくびっくりしたのよ、私。 救急隊員の姿を見て、マジぶったまげたわ。 人を救急車に乗せるのは何度か経験しているけど 自分のために救急車が呼ばれると 恐ろしく動揺してしまったのである。 翌日、膝小僧に青タンが出来ていた。かなり痛いっす。 日に日にひどくなってくる、青痣。 まぁ、意識をなくして頭をしたたかに打ち付けるよりは はるかにマシだったわね。 そして私は《もう絶対にアルコールは口にしません!》と 公言したのだった・・・・・ 意識が無くなるなんて自分の身に起こるとは思ってなかった。 お酒が飲めない私が、お酒で倒れるなんてありえな~い(* ̄ρ ̄)” ↑ところがそれが現実。 もうお酒なんか飲まないぞ、うんうん、絶対に飲まないわ。 そう心に誓ったのである。 そして今日。 ハビエルさんのワイン工場見学。 早くも断酒解禁となってしまったのです(* ̄ρ ̄)”オイオイ だってぇ、あんなにすごいワインもう飲めないかもしれないしぃ・・・ というわけで、今後はほどほどに飲むことにします。 あぁ、ぶったまげた。 |